Fable Granular Soundscape Generatorは、2つのフィードバック回路を組み合わせたユニークなディレイ・プログラムを5つ搭載するディレイ・ペダルです。Walrus Audioとしては初となる、グラニュラー・シンセシス採用機です。

Walrus Audio初となるグラニュラー採用機

本機に採用されているグラニュラー・シンセシスとは、音を粒状に切り刻み、それらの再生速度/方向やピッチを変化させることでユニークなサウンドを生み出す仕組みのことです。
Chase Bliss Audioの「MOOD」や、Red Pandaの「TENSOR」などに代表されるこれらのグラニュラー・ペダルは日本においてもすでに広く認知されており、シーンをリードする先鋭的なギタリストたちの多くが愛用しています。
Walrus Audioのペダルとしては初となるグラニュラー・シンセシスを採用した本機では、ドライ音とウェット音両方のフィードバックを組み合わせるデュアル・フィードバック回路を用いることで、接木によって子孫を残すツリーフォーク（樹人）をイメージした独創的なディレイ・サウンドを作り出すことに成功しています。

ユニークなコントロール

第1/第2フィードバック回路のゲインは個別にコントロールすることが可能で、ディレイ・タイムだけでなくグレインのバッファ・サイズもコントロールできる「time」ノブや選択するプログラムによってコントロールできるパラメーターが変化する「X」ノブなど、ユニークなコントロールが満載です。
さらにモジュレーションの追加やフィルター回路など、サウンドをさらに個性的なものにするエフェクトも搭載されており、描くことのできるサウンドスケープは無限大です。

タップ・テンポ用のフット・スイッチではディレイ・タイムやグラニュラー・プログラムのタイム・ストレッチなどをコントロールすることが可能で、押し続けることでクロック・レートを上下させ、飛び道具的な効果を得るといった用法にも対応しています。
また、トレイル・モードの変更にも対応しており、サウンドのユニークさだけでなく使いやすさという点においても優れている一台です。

搭載されているプログラム

ディレイ・プログラムは5種類搭載されており、ノブで簡単に切り替えることができます。

1. Reverse Delay into Reverse Granular

リバース・ディレイからリバース・グラニュラー・アルゴリズムに入力され、サンプリングされたグレイン（粒）が逆方向に再生されます。フィードバックの回路で逆再生されたサウンドがさらに逆再生され…といったようにリバースが繰り返され、プレイヤーの想像力を超えたユニークなサウンドが出力されます。
「X」ノブではグレインのサイズを変化させることが可能で、グレインを小さくすれば長く滑らかなリバース・トランジェント、大きくすればスタッターのような、狂気的なリバース・グリッチが得られます。

2. Forward Delay into Octave Up Granular

順方向のディレイからオクターブ・アップのグラニュラー・プログラムに入力され、サンプリングされたグレインが倍速で再生されます。グレインはフィードバック回路に蓄積され、明るく滝のようなサウンドを形成します。

3. Analog-Style Delay into Octave Down Granular

暗くウォームなアナログ・スタイルのディレイから、グレインを1/2の速度で再生するオクターブ・ダウンのグラニュラー・プログラムに入力されます。スロー・ダウンされたリピートとアナログ式の処理により、轟くような足音、濁りのあるサウンドスケープを生成します。

4. Multi-Tap Granular into Multi-Tap Granular (Grain-Verb)

2つのマルチタップ・グラニュラー・アルゴリズムが直列に配置され、それぞれのグラニュラー・バッファから複数のグレインを取り出し、同時に再生します。グレインはフィードバック回路で互いに重なり合い、雲のようなグリッチやインスピレーション溢れるリバーブが出力されます。このプログラムを選択している際、「time」ノブは2つのアルゴリズムのタイム・ストレッチをコントロールする役割を担い、グラニュラー・エフェクトの長さだけでなく音色をも変化させることができます。

5. Forward Delay into Randomized Pitch Granular

順方向のディレイをランダムなピッチのグラニュラー・プログラムに組み込み、グレインがランダムに選択された速度、方向で再生されます。ピッチはグレインごとに変化し、「X」ノブでそのスピードをコントロールすることができます。