メーカー | Gamechanger Audio |
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カテゴリ | ディストーション |
発売時期 | 2019年12月 |
価格 | 52,800 円 (税込) |
PLASMA COILの基本的なメカニズムは同社のPLASMA PEDALと同じで、従来の歪みエフェクターやアンプのようなトランジスタや真空管を使用せず、筐体中央のキセノン管を使用してドライブ・サウンドを作っています。ギターからの信号を3500Vまで昇圧し、それをキセノン管でプラズマ放電させることで、PLASMAシリーズに独特の倍音、歪みが生まれます。このような画期的な機構とサウンドで大変な話題を集めたPLASMA PEDALに、新たにラッチ/モーメンタリーが切り替え可能な6種類のエフェクトが加わったのが本機、PLASMA COILです。
このPLASMA COILは元ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトが代表を務めるテネシー州ナッシュビルのレコード・レーベル、Third Man Recordsと、野心的なプロダクトの開発で注目を集めているラトビアのエフェクター・ブランド、Gamechanger Audio社の共同開発により誕生しました。ジャック・ホワイトは、ザ・ラカンターズの最新アルバムやツアー、今後のプロジェクトにおいてもPLASMA COILを使用するとコメントしており、機材フリークの彼を満足させる出来であることが伺えます。また、元メガデスのマーティ・フリードマンも自身の作品で使用するなど、飛び道具的なアバンギャルドなサウンドでありながら、第一線で活躍するプロからも評価されている一台です。
「VOLTAGE」ノブは、キセノン管に送られる電流量を調整するノブです。ノブを12時頃に設定すると適度なサスティーンが得られ、かつ非常に強いノイズ・ゲーティングがかかります。左に回していくと大音量でパワフルな信号のみがキセノン管を通過するようになり、こちらも強いゲーティング効果が得られ、サスティーンがほとんどなく、潰れたようなサウンドへと変化します。対して12時より右側にノブを回していくと、サスティーンが伸びるようになります。フィードバックも得やすく、従来のファズに近い要素も感じさせる音へと変化します。この状態では比較的ノイズ・ゲーティングの効果は薄くなりますが、楽器のボリューム・ノブなどとうまく組み合わせることで顕著なゲーティングを得ることもできます。
「VOLUME 」ノブは一般的なペダルと同じようにマスター・ボリュームをコントロールするノブです。12時の位置でユニティー・ボリュームになりますが、イコライザー等の設定により異なる場合もあります。
「LOW FREQ」と「HIGH FREQ」はそれぞれ低域、高域の量を調節するイコライザーですが、一般的なドライブ・ペダルにあるようなイコライザーに比べてかなり極端なかかり方をします。「LOW FREQ」を大きく設定すれば、シューゲイザー系の音楽ですら聴いたことがないようなボトムのしっかり効いた厚みのあるサウンドを作ることができますし、小さく設定した場合にはカリッとしたローファイなガレージ・ロック的な音を作ることもできます。また、「HIGH FREQ」を大きく設定すればその名の通り稲妻のようなサウンドへと変化し、聴いた人に大きなインパクトを与えうるようなサウンドを作ることができます。単純にそれぞれの帯域の量を調整するのはもちろんですが、イコライジングによってかなりサウンドのキャラクターを変化させることも可能であり、かなり用途に富んだノブであると言えます。
「EFFECT KNOB」は、PLASMA COILの歪みに更に加えることができる6種類のエフェクトを選択するためのノブです。
これらのエフェクトはPLASMA COIL自体のON/OFFを切り替える左側のフット・スイッチとは別に用意されている、右側のフット・スイッチによってON/OFFを切り替えます。またこのフット・スイッチは背面の「EFFECT SWITCH」と書かれたトグル・スイッチで「LATCH(踏むたびにON/OFFが切り替わる)」と「MOMENTARY(踏んでいる間だけONになる)」のいずれかのモードを選択することが可能です。「MOMENT」に設定しフレーズの一部のみで踏んでエフェクトをかけたり、短い感覚で何度も踏んでキル・スイッチを使っているような効果を得たりと、飛び道具的な使用方法が期待できます。
「VOLTAGE BOOSTER」はキセノン管に放電する電流を昇圧し、歪みの量とボリュームをブーストさせるエフェクトです。単純なブースターとは一味違った、ハイ・ボルテージのサウンドを楽しむことができます。
「SUBHARMONIC MODE」は、楽器からの信号をもとにキセノン管の電圧を変調させることで生まれる、原音のオクターブ下のサウンドを付加するエフェクトです。キセノン管を使用して発生させているため、このエフェクトで作られる低音は独特なものとなり、リング・モジュレーターとビット・クラッシャーの中間のような、グリッチ感のある歪んだオクターブ・ダウン・サウンドになります。「SUBHARMONIC MODE 1」では1オクターブ下、「2」では2オクターブ下のサウンドが得られます。
「UPPER HARMONIC MODE」は、「SUBHARMONIC MODE」とは逆にオクターブ上の音を作るエフェクトです。このオクターブ上のサウンドは全波整流回路(入力された電圧の負電圧分を正電圧に変換整流する回路)とバンドパスフィルター(特定の周波数のみを通過させるフィルター)を使って生成され、ジミ・ヘンドリックスの使用で名高いオクターブ・ファズ、オクタヴィア的なサウンドが得られます。
「MIXED HARMONIC MODE」は、これらの低音を高音を同時に使用するエフェクトです。「MIXED HARMONIC MODE 1」では「SUBHARMONIC MODE 1」の1オクターブ下の音と「UPPER HARMONIC MODE」の1オクターブ上の音、「2」では「SUBHARMONIC MODE 2」の2オクターブ下の音と「UPPER HARMONIC MODE」の1オクターブ上の音が組み合わさります。
Gamechanger Audio社は、PLASMA COILを他のエフェクター等と同時に使用することも勧めています。
PLASMA COILは入力された信号にリニアに反応するため、トレモロやアルペジエーターのようなリズム系のエフェクターを前段に置いても、しっかりとエフェクトを得ることができます。ディレイを前段に置けば、ディレイがソフトになるにつれて、多彩なブレイクアップ・サウンドを得ることができます。
歪みエフェクターとの組み合わせも刺激的な効果が得られます。例えばPLASMA COILを他の歪みエフェクターより前に繋いだ場合には、ノイズ・ゲーティングの効果が後段にも伝わり、爆発的なインパクトのあるディストーション・サウンドが得られます。
また、あえてリバーブをかけないことで独特のサウンドを作ることができます。PLASMA COILは独自のノイズ・ゲーティング・エフェクトにより、ギターを弾いていないときには出力がしっかりミュートされますが、リバーブをかけないことでこの効果がより強調されます。
エレクトリック・ギターのために設計されたペダルではありますが、他の楽器と組み合わせることも可能です。シンセサイザーやベースに使用することで、重厚なローエンドや焦げ付くような高域など、PLASMA COILの独特のサウンドを楽しむことができます。また、スネア・ドラムやキックなど、リズム楽器にPLASMA COILを使用し、潰れたサウンドを作ることも可能です。
仕様 | ■コントロール:BLEND, VOLTAGE, VOLUME, LOW FREQ, HIGH FREQ, CLEAN EQ ■電源:9VDC センターマイナス ■消費電流:300mA ■最大消費電力:2.7W ■平均消費電力:1W ■待機電力:0.025W ■接続端子:INPUT(フォン)、OUTPUT(フォン) ■最大出力レベル:7Vpp (+10dBu) ■出力インピーダンス:100Ω ■最大入力レベル:7Vpp (+10dBu) ■入力インピーダンス:1MΩ ■周波数特性:20Hz-22kHz ■EQ LOW ブースト/カット:±9dB 600Hzコーナー周波数 ■EQ HI ブースト/カット:±10dB 1.5kHzコーナー周波数 ■寸法:148 × 96 × 70 (mm) ■重量:840g |
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