スタジオグレードのエフェクトをコンパクトサイズで:スタジオ系エフェクター特集2015年9月25日

スタジオ系エフェクター特集

いわゆる「スタジオ系」と呼ばれるハイエンドなエフェクターが人気を集めはじめています。大型の楽器店などへ行けば、ハイエンドエフェクターの専門コーナーが設けられているところも多くなってきましたし、アマチュアのライブにおいても使用しているギタリストが非常に多くなってきています。

もちろん、一般的なエフェクターが使用されなくなってしまったわけではありません。定番エフェクターブランドであるBOSS製品なども依然として多くのギタリストのサウンドを支え続けています。しかし、その一方で、これまではほとんどアマチュアの世界では存在すら知られていなかったようなハイエンド系エフェクターが当たり前に使用されるようになってきています。

ここではそんなスタジオ系と呼ばれるハイエンドエフェクターについてお話してみたいと思います。

スタジオ系エフェクターが台頭してきた理由とは?

まず、どうしてハイエンドエフェクターがこれほどまでに台頭してきたのでしょう?
いくつかの理由が考えられますが、その最大の理由は音楽性が多様化したことによる影響が大きいのではないでしょうか?

かつて、エレキギターが活躍するジャンルと言えばロックのみ、といったイメージが持たれていましたが今日ではどうでしょう?さまざまなジャンルでエレキギターのサウンドがフューチャーされるようになってきています。そうなれば、よりハイクオリティで多彩なサウンドを求められるようになるのは言うまでもありません。そこで、あらたなサウンドを生み出すための選択肢としてハイエンドエフェクターがチョイスされるようになってきたと言えるのではないでしょうか?

もう一つの理由として挙げられるのが、ハイエンドエフェクターがより身近な存在になった、という点でしょう。

Universal Audio 1176LM 伝説のコンプ「Urei 1176」を継承したUniversal Audio 1176LM

コンプレッサーをはじめとするフィルター系ハイエンドエフェクターの多くは、アマチュアではとても持ち運ぶことができないような大型のものが主流でした。もちろん、価格も非常に高価でなかなか手を出すことができないものがほとんどでした。しかし、デジタル系の技術が進歩したことによって、クオリティはそのままにハーフラックサイズのものや、ペダルタイプになっているものまで登場しています。価格も一般的なエフェクターと比較すれば高価ではありますが、決して手を出すことができないほどの価格ではなくなってきています。つまり、スタジオ系のハイエンドエフェクターは昔と比べてとても身近な存在になったのです。

このような理由から、スタジオ系エフェクターがさまざまな場面で見られるようになってきたのです。

スタジオ系と呼ばれるエフェクターの代表は?

それでは、スタジオ系エフェクターの代表格とも呼べるモデルをいくつかご紹介してみましょう。

Walrus Audio Deep Six

Walrus Audio Deep six

前述の青線と同様に、スタジオレベルのコンプレッサーをモチーフとしながら、コンパクトなペダルサイズを実現した一台となっています。スタジオレベルの良質なコンプレッサーを気軽に持ち運ぶことのできるとても魅力的モデルです。

同モデルの最大の特徴であり、魅力と言えば、やはり原音とコンプサウンドを好みの割合でブレンドすることが可能である、という点でしょう。これによって、従来のペダルコンプレッサーでとても考えられなかった様な多彩なスタイルでのサウンドメイクが可能となっています。このクオリティでありながら価格は30000円を切っている、という点も大きな魅力であると言えるでしょう。
Walrus Audio Deep Six

FMR AUDIO RNC 1773

FMR AUDIO RNC 1773

ペダルサイズではありませんが、ハーフラックサイズでありながら、スタジオライクな操作性、そしてハイクオリティなサウンドを実現しているのがFMR AUDIO RNC1773です。従来、スタジオ系コンプレッサーと言えば大型ラックサイズで価格も最低でも20万円から…それが常識でした。しかし、このモデルはコンパクトなハーフラックサイズでありながら、30000円前後で購入することが可能です。

もちろん、サウンドのクオリティも操作性も従来のスタジオ系コンプレッサーとほとんど遜色はありません。まさに、誰でも気軽にスタジオレベルのコンプレッサーを手にすることのできる時代になったと言えるのではないでしょうか?

Strymon OB.1

近年さまざまなハイクオリティなペダルエフェクターの製造で高い人気を集めはじめているStrymon。同ブランドのスタジオ系コンプレッサーがOB.1です。デジタル回路を使用せずに、完全アナログ回路にこだわることによって、よりヴィンテージライクなコンプサウンドを実現しました。とても自然なコンプサウンドでありながら、超低ノイズを実現しており、ペダル型コンプレッサーでも最上級との呼び声も挙がっているほどです。

さらに、ブースト機能も備えられていることから、引っ込んでしまいがちなサウンドを前面に押し出し、サウンドメイクの幅を広げてくれるでしょう。価格も30000円以下を実現していることから、気軽にスタジオレベルのサウンドを手に入れることのできる非常に優秀なコンプレッサーであると言えるでしょう。

Strymon OB.1

Empress Effects Compressor

初心者の方にはコンプレッサーは扱いが難しい、というイメージが持たれてしまいがちです。特にスタジオ系コンプレッサーになると幅広いサウンドメイクが可能となる代わりに、操作も複雑になってしまいます。そこで、コンプレッサーに対して苦手意識を持っている方におすすめしたいモデルがEmpress Effects Compressorです。
一見すると一般的なコンプレッサーとあまり変わらないように見えるかもしれませんが、非常にナチュラルにサウンドが変化することから、あまり慣れていない方でも直感的な音作りが可能となっています。

簡単によりハイクオリティなサウンドメイクをしたい…そう考えている方にはぜひおすすめしたい一台となっています。もちろん、使いやすいだけでなく、アウトプットされるサウンドはまさにスタジオクオリティのものです。

Empress Effects Compressor

コンプレッサー系以外のスタジオ系エフェクター

コンプレッサーを中心にご紹介してきましたが、ディレイやリバーヴなどの空間系エフェクターにも、気軽に手にすることのできるスタジオ系ハイエンドエフェクターがいくつも登場しています。特にディレイは近年の音楽シーンでとても多様されるようになっていますので、さまざまなブランドがハイクオリティなモデルをリリースしています。

Strymon DIGStrymon DIG

中でも得に注目を集めているのがStrymon DIGディレイでしょう。80年代からスタジオで愛され続けているラックサイズのディレイをコンパクトなペダルサイズに収めたもので、幅広いディレイサウンドを作ることが可能となっています。ロングディレイから、リバーヴのような薄いショートディレイまでさまざまなスタイルで使用することが可能となっており、まさにスタジオライクなディレイと言えます。また、モジュレーション系まで幅広くスタジオレベルのサウンドメイクが可能なエフェクターを生み出しているEventideもチェックしておきたいブランドの一つです。さまざまなタイプのモデルがラインナップされており、どれもスタジオ系と呼ぶにふさわしい仕上がりとなっています。ぜひ、一度は試しておくべきでしょう。


近年台頭してきているスタジオ系のハイエンドエフェクター。あなたもあの憧れのサウンドを手にしてみませんか?