マーシャル系歪みエフェクター特集2018年6月16日

他社ブランドのマーシャル系ペダル 〜後半〜

Pedal Tank Plexi Drive

タイ発のエフェクターブランドPedal Tankより発売されている、マーシャル系ドライブペダル。コントロールはレベル、トーン、ゲインの3種とシンプルなものです。名前の通りプレキシを意識して作られており、ゲインを真ん中よりも下げた場合、そのドライブトーンはかなりヴィンテージプレキシをイメージしたものに近づきます。しかし、ゲインを上げていくほどにサウンドの幅はヴィンテージプレキシどころではなく、かなりのハイゲインまでカバーすることがわかります。その歪み幅はJCM2000にも通じるもので、サウンドの広さはこの中でもトップクラスです。

Pedal Tank Plexi Drive

CARL MARTIN 「Plexi Tone / Plexi TOne Single Channel」

Plexi Tone

「Plexi Tone」は、Hot Drive’n’Boostで有名な北欧デンマーク発Carl Martinによるマーシャル・プレキシ・トリビュートモデル。ハイゲイン/クランチの2チャンネル仕様に、さらにブーストスイッチを搭載し、音作りの幅広さを持った一品です。多数あるマーシャル系ドライブの中でも、中域が削がれない太いサウンドが持ち味で、クランチチャンネルは1959直系のプレキシ系サウンド、ハイゲインチャンネルではJCM800っぽいサウンドを得られるので、二台を使うような贅沢さが味わえます。ブーストもおまけ的扱いではなく単体使用可能で、アンプの音を直接プッシュできる使い勝手の良い仕様。ゲイン幅も十分で、非常に実践的なモデルですが、9V駆動が出来ず電源コードが本体から直接出ているところは、取り回しの悪さを感じてしまう唯一の弱点。

CARL MARTIN PLEXI TONE

Plexi TOne Single Channel

「Single Channel」は、PlexiToneからHigh Gainチャンネルを抜き出したもので、コントロールはレベル、トーン、ドライブの3つと大幅に縮小化。それに伴い筐体もMXRサイズに収まり、本家には出来ない9Vアダプター駆動も可能。ボード設置の際にサイズが気になったり、歪みの多チャンネルが必要ないという場合、こちらも選択の候補として挙がりそうです。

CARL MARTIN Plexi Tone SINGLE CHANNEL

Lovepedal Kalamazoo

Kalamazoo GOLD

KronのCentaurとよく比較されるLovepedalのブリティッシュ系ドライブペダル。コントロールはレベル、ドライブのメインに、サブのような形でTONEとGLASSというものがついています。TONEは一般的なものとは逆の動きになっており、右に回すとカットとして働くのが特徴。GLASSコントロールはこのモデル最大のポイントで、高域の倍音成分を増やしていくという働きをします。ゲイン幅は狭く、前述した中ではJTM45をイメージしたZvex BOX OF ROCKとほぼ同程度。ハイゲインが必要とされる音楽には向きませんが、ブルースやロックンロールなどには最適な選択となるでしょう。ローゲインなブースターとしても非常に有効です。

Lovepedal Kalamazoo

JHS Pedals 「Charlie Brown / Charlie Brown V4 / Angry Charlie」

Charlie Brown

近年高い評価を集めるアメリカ発のエフェクターブランドJHS Pedals。同社はマーシャル系のドライブペダルをいくつかリリースしていますが、「Charlie Brown」はヴィンテージプレキシからブラウンサウンドまでをカバーしたオーバードライブです。コントロールにはレベル、トーン、ドライブのオーソドックスな3種に加えてプレゼンスを装備。倍音の食いつきを細かく制御できます。サウンドは適度に荒々しさを持っており、アンプライクな弾きやすく気持ちの良い歪みが特徴。ブラウンサウンドまでを視野に入れているため、歪みの幅は広く、深く歪んだハードロックでも対応可能です。

JHS Pedals Charlie Brown

Charlie Brown V4

「Charlie Brown V4」は、Charlie Brownの操作性、EQセクションをブラッシュアップしたバージョンアップ版。基本的な音はCharlie Brownのそれを受け継いでいますが、新しく作り直されたEQセクションは、トーンとプレゼンスだけであった前バージョンからBass、Middle、Trebleの独立した3EQへと進化を遂げています。

JHS Pedals Charlie Brown V4

Angry Charlie

「Angry Charlie」はその名の通り、Charlie Brownのディストーション・バージョン。全体的な音の傾向はCharlie Brownと近いものですが、本家のGov’norのイメージを設計に取り込んでいるようです。プレキシ系からブラウンサウンドを狙って作られていますが、歪みはかなり深いところまでカバーしており、同じくブラウンサウンドといっても、メタル系音楽にも対応できそうなほどのハイゲインまで作り出せるところがAngryたる所以でしょうか。トーンとプレゼンスは左回しでブーストという通常とは逆の動きで、非常に効きが良いのが特徴。ハイゲインをカバーしているものの、根底にあるのはJTM45に代表されるヴィンテージマーシャル系の音なので、ドライブを絞った際のクランチも絶品。

JHS Pedals Angry Charlie

Wampler Pedals 「Plexi-Drive / Plexi-Drive Deluxe / Plextortion」

Plexi-Drive

「Plexi-Drive」はアメリカ発のハイエンドエフェクターブランド、Wampler発のプレキシマーシャルを狙ったドライブペダル。ヴィンテージプレキシに非常に近いサウンドを持っており、このサウンドが好きな人には堪らない一品。コントロールが3つとシンプルなのも潔く、音の作りやすさに直結しています。クランチからハードオーバードライブまで、幅広いゲイン幅をカバーしており、さらに、BassミニスイッチをONにすると、スタックアンプらしい低音のふくよかさを強調することができ、細かい所にまで行き渡ったサウンドバリエーションも魅力です。

Wampler Pedals Plexi-Drive

Plexi-Drive Deluxe

「Plexi-Drive Deluxe」はその名の通り、前述Plexi-Driveのデラックスバージョン。トーンのみだったEQはBass、Middle、Trebleの3EQになり、bright boostスイッチの増設、pre gain、post gainの2チャンネル化などで、よりサウンドバリエーションを増やし大幅なグレードアップを成し遂げたモデルです。ノーマルのPlexi-Driveにもあったbass boostはそのままに、bright boostではより明瞭な高域のブーストも可能。post gainセクションではプレキシアンプそのままに近いサウンドを得られ、pre gainはTS-9をアンプの前に併用したような効果が得られます。preとpostは独立した運用も可能なので、pre gainの粘っこいオーバードライブを単体で使用するのも面白いでしょう。まさに、2種のモデルを内包したような贅沢な一台となっています。非常に効きの良いEQセクションも相まって、サウンドの作りやすさもピカイチです。

Wampler Pedals Plexi-Drive Deluxe

Plextortion

「Plextortion」はplexとは付いていますが、プレキシアンプではなくJCM 800に近いサウンドを狙ったモデルです。小さなボディですが、Bass、Middle、Trebleの3EQとなっており、Vintage、Modernと2種のキャラクターを選べるミニスイッチが付いています。Vintageモードでは80年代ハードロックそのままのサウンドが得られ、Modernでは少しゲインアップしたドンシャリサウンドを創出します。オリジナルのJCM800と同じく、クランチ系から非常に使える一品で、ブルースロック等にも十分魅力的なサウンドですが、最大の魅力はやはり、これぞハードロックな、パンチの効いた80年代的ディストーションでしょう。

Wampler Pedals Plextortion

Bogner 「La Grange / Ecstasy Blue」

La Grange

ともにアンプメーカーとして名高いBognerのペダル。アンプのみならず、昨今ではエフェクターでも高い評価を得ている同社のペダル群ですが、La Grangeはプレキシ系のサウンドに的を絞って開発されたもので、ヴィンテージプレキシから、エディの使用したハイゲインな改造マーシャルまでのサウンドを視野に入れています。特徴は一見して分かるそのコントロールの多さ。メインのつまみが5つ、そしてミニスイッチが4つというこだわりの仕様で、なかでも最も特徴的なのはミニスイッチに存在するstructureと、メインにあるch.blend。structureはタイトなサウンドからファットなサウンドまでを3段階で切り替えることができ、ch.blendは4インプットのプレキシアンプにおけるノーマルチャンネルとブライトチャンネルの度合いをシミュレート。他のペダルにはない細かな音作りが可能で、クリーン、クランチ、ディストーションとあらゆるシチュエーションに合わせられる上、ブーストスイッチまで付いた汎用的な仕様になっています。

Bogner La Grange

Ecstasy Blue

Ecstacy Blueは、同社のEcstacyアンプBlueチャンネルをシミュレートしたエフェクター。EcstacyのBlueチャンネルは元々プレキシアンプの音を狙ってチューニングされており、このエフェクターもその路線のサウンドになっています。前述のLa Grangeと同じく、ミニスイッチは4つを装備。その中の一つmodeコントロールでは、プレキシっぽいサウンドのみならず、太い中域を目立たせるblueモードを選べるなど、幅広くセッティングができます。ブーストスイッチはゲインとボリュームを個別に設定できるところが特筆すべき点で、音量だけを上げたり、ゲインだけを上げたり、自在なブーストが可能。ブーストを使わず単体で歪みを作るとそれほど深い歪みにはなりませんが、極めて真空管アンプに近い粘っこく腰のある音が得られます。幅広い音作りが出来ますが、ハードディストーションは得られないのでメタル系音楽には不向き。

Bogner Ecstasy Blue

VEMURAM 「Rage e / Karen」

Rage e

国産最高峰のエフェクターブランドVemuramのブリティッシュ系ペダル。「Rage E」はVemuramの第一号機です。モダン・マーシャル系のサウンドを狙っており、プレキシ系ではなくJCM2000に近いサウンドを創出します。一見するとコントロールにはゲインが一つしかありませんが、側面にゲイン調整用トリマーが付いており、これを回すことでおおまかなゲイン幅を調整可能。その幅はかなりのもので、最大まで回すとウルトラハイゲインまでをカバーできます。また、このモデルの最大の特徴はそのローノイズにあり、本体内蔵のブースターをONにしても、ノイズが上がってくることはありません。

VEMURAM Rage e

Karen

「Karen」はRage Eとは違って、70、80年代のオールドマーシャルをイメージしたもの。サウンド、ゲイン幅はおよそJCM800に近いものになっています。コントロールはレベル、トーン、ゲインと、一般的な3つですが、ボディトップ部分にあるゲイン調整用トリマーを調整することで、ゲイン幅にさらなる広さを持たせられます。どのようにセッティングしても使える音が出るのが特徴で、この部分の調整はさすがにハンドメイドならではと言えます。

VEMURAM Karen

WEEHBO Effekte JTM DRIVE / JMP DRIVE / JCM DRIVE / JVM DRIVE

2008年に創業したドイツのハンドメイド・エフェクター・ブランド。歪みペダルばかりを制作することで知られ、マーシャル系だけでも
JTM:プレキシ時代の Marshall JTM サウンドを再現
JMP:60〜70年代の Marshall JMP サウンドを再現
JCM:Marshall JCM800 サウンドを再現した2ch仕様
JVM:モダン Marshall JVM サウンドを再現した2ch仕様
と豊富にリリースしています。

WEEHBO Effekte JTM DRIVE
WEEHBO Effekte JMP DRIVE
WEEHBO Effekte JCM DRIVE
WEEHBO Effekte JVM DRIVE

Gurus Amp 1959 Double Decker

2016年に登場した「1959 Double Decker」は、Marshall 1959のプレキシサウンドを再現した独立2チャンネルのフロア型プリアンプ/オーバードライブ・ペダル。本物の真空管12AX7/ECC83を搭載、2チャンネルとは別にソロ時にONにしてブーストさせるチャンネルを持つ計3チャンネルの扱いができ、並み居るマーシャル系エフェクターの中でも最も多機能で高性能なエフェクター。解像度の高いサウンドはペダルというよりはもはやアンプヘッドのようです。

Gurus Amp 1959 Double Decker

Flying Teapot 59 pre amp

Flying Teapot 59 pre amp

2016年に登場した国産エフェクターブランドFlying Teapotの「59 pre amp」は、1959プレキシアンプと同じゴールドパーツのフロントパネルと4つのインプットを搭載するなど、コンパクトなエフェクターながらプレキシアンプの持つ機能を忠実に再現したプリアンプ・ペダル。4つのインプットはインピーダンスの違いなどから微妙にサウンドも異なり、また実機と同様にチャンネルリンクして音を鳴らすこともできるなど、サウンドはもちろんプレキシアンプの操作性までも再現しています。

Flying Teapot 59 pre amp

SHINOS Naughty Brain

SHINOS Naughty Brain

2016年に登場した「Naughty Brain」は、国産ハンドメイド・ギターアンプブランドSHINOSがリリースするマーシャル系ペダル。同社のアンプは国内でもトッププロのプレイヤー達がこぞって使用するハイエンドなもので、本機でもハンドメイド製作/ポイント・トゥー・ポイント配線で組み立てられるなど、非常に高品質な仕上がりとなっています。シンプルな3ツマミに音のキャラクターを切り替える2wayスイッチを搭載、ヴィンテージ・マーシャルアンプのサウンドを彷彿とさせる王道のロックサウンドが得られます。

SHINOS Naughty Brain

Blackberry JAM Rosemary Rex

Rosemary Rex

2017年8月に登場した国産エフェクターブランドBlackberry JAMの「Rosemary Rex」は、プレキシサウンド「1959 SuperLead」と「EVHのブラウンサウンド」2つのマーシャル・サウンドを1台に搭載し、2つのサウンドを切り替えて使用できるペダルです。コンパクトなボディに2つのフットスイッチを搭載し、片方はエフェクトのON/OFF、片方は搭載しているブースター機能のON/OFFに対応。4ツマミの操作と組み合わせることで多彩なサウンドメイキングが可能です。

Blackberry JAM Rosemary Rex

FREE THE TONE FM-1V FIRE MIST

FREE THE TONE FM-1V FIRE MIST

2018年5月に登場した「FM-1V FIRE MIST」は、国内トッププレイヤーのエフェクター周りのトータルデザインを行うFREE THE TONEによるマーシャル系ペダル。理想のブリティッシュロックサウンドを得るためエフェクターを構成するあらゆる要素を徹底的に検証し、テストを繰り返しながら数年の歳月をかけて作り上げられたとのことで、本記事で紹介するマーシャル系のペダルの中でも極めてハイエンドな部類に入るモデルです。

FREE THE TONE FM-1V FIRE MIST


以上、膨大な数のマーシャル系エフェクターを紹介しました。これだけのペダルの中から好みのモデルを探すのは大変困難かもしれませんが、マーシャルアンプの系譜と各アンプのサウンドをある程度イメージできていれば、好みのモデルを選ぶ指針となるでしょう。本ページとあわせて参考いただき、お気に入りの1台を見つけるお手伝いとなれば幸いです。

《今振り返る》マーシャルアンプの系譜 – Supernice!ギターアンプ

最終更新日 : 2018/08/03