Neural DSP Quad Cortexは、プラグインなどの製品を中心に販売していたフィンランドのNeural DSP初のハードウェア製品となるフロア型モデラーです。クアッドコアSHARC®アーキテクチャーの採用による圧倒的な処理能力やAIを使用したリグキャプチャ機能など、ギタリスト垂涎の機能が満載です。

大型タッチディスプレイによる直感的な操作

7インチのタッチディスプレイを搭載しており、視認性の高さはもちろんのこと、スマートフォンやタブレットのような直感的な操作が可能となっています。PC上のエディター等を使用することなく複雑なシグナルチェーンを構築したり、ドラッグ＆ドロップにより簡単にルーティングを変更したりと、現場での即座な変更にもすぐに対応できるのは大きな強みです。
また本機に搭載されているフットスイッチはON/OFFのみでなくノブとしても使用可能で、ディスプレイではなく一般的なエフェクターのノブ操作を好むプレイヤーにも配慮されています。

システムを操る3つのモード

各種エフェクト、アンプなどのON/OFF、切り替えについては「STOMP MODE」、「SCEAN MODE」、「PRESET MODE」の3種類を使用することができます。
STOMP MODEはフットスイッチ1つに対してエフェクターやアンプ1つをアサインしON/OFFを行う、アナログのエフェクターボードのような操作感のモードです。
SCEAN MODEではプリセット上の複数のエフェクター、アンプをフットスイッチ1つで同時にON/OFFできるモードで、例えばクリーンなサウンドから歪みとディレイを同時にかけた音にしたい場合などに便利なモードです。プログラマブルスイッチャーに近い操作感といえます。
PRESET MODEはフットスイッチ1つのプリセットを丸ごと切り替えてしまえるモードで、曲ごとにサウンドを大幅に変えたい場合などには大変便利なモードです。

Neural Capture機能

Neural DSP独自の技術である「Neural Capture」機能により、アンプ、キャビネット、歪み系のエフェクターをキャプチャすることが可能です。またキャプチャしたデータは共有することが可能で、他のユーザーがキャプチャしたレアなヴィンテージアンプやエフェクターを使用することもできます。
AIを用いた学習技術により、従来のキャプチャ技術に比べ正確でナチュラルな再現が可能となっています。
この機能を用いてキャプチャされたファクトリーキャプチャーも初期状態から搭載されているほか、第一線で活躍するプロデューサーやサウンドデザイナーとの協力によるフルサーキットモデル、キャプチャデータ等も無料で、かつ継続して提供される予定です。

搭載アルゴリズム

搭載されているアルゴリズムはアンプ50種類以上、エフェクト70種類以上、
IR1000種類以上と豊富で、そのどれもが高品位なサウンドです。こちらについても、アップデートにより今後も追加されていく予定です。もちろん、IRについてはサードパーティ製のものをロードすることも可能です。
モデリングの質の高さはもちろん、サウンドメイクに不可欠なEQについても7インチの大型ディスプレイを生かしたパラメトリックEQが搭載されており、操作性は良好です。

その他の機能、注目ポイント

これだけの処理能力と機能性を持ちながら、サイズは29 × 19 × 4.9cm、重量は1.95kgと非常にコンパクトで軽量であるのも魅力です。またボディにはアルマイト処理が施されたアルミニウム、ディスプレイには強化ガラスと強化タッチパネルが使用されており、耐久性も抜群です。

Wi-Fiモジュールを内蔵しているため、PCやスマートフォンを使用することなくプリセットをクラウド上に保存しておくことができます。
またスマートフォン用アプリ「Neural CNS Mobile」を使用すればプリセットの共有なども行えるほか、Mac/PC用アプリケーション「Cortex Desktop Controller」を使用すれば本機のリアルタイム制御も行うことができます。

CirrusLogicコーデックの採用により、USBオーディオインターフェイスとして使用することもできます。レイテンシーも極めて低く、本機で作りこんだサウンドをそのままDAW上で使用することができます。