FM3 MARK II TURBOは、超ハイスペック・フロア・モデラー「FM3」のリニューアル・モデルです。サウンドを処理するDSPの処理能力が10%以上向上したほか、各フット・スイッチに装備されているLCDディスプレイがさらに大きくなり視認性が高まりました。

操作性、耐久性共に優れたデザイン

各コントロールは人間工学に基づいてデザインされており、複雑な操作も直感的に行えるのが魅力です。フット・スイッチの設置面には傾斜がつけられており、平面に装備されたスイッチと比べるとかなり踏みやすく、ステージの上でもしっかりとスイッチングを行うことができます。
本体に装備されているフット・スイッチは3つと多くはないものの、タップとホールドの使い分けや好みの機能のアサインなどにも対応しているため操作性は申し分ありません。各スイッチには個別にディスプレイとLEDが装備されており、ステータスを一目で確認しやすいのも嬉しいポイントです。ディスプレイに関しては無印の36mm × 12.5mmからMARK IIでは50mm × 17.5mmに拡大されており、さらに視認性が高まりました。また、「View」機能を用いれば合計12個の仮想フット・スイッチの運用も可能です。

優れた処理能力や高品位なサウンドはもちろんのこと、高い耐久性も持ち合わせているのが同社のフロア・プロセッサーの強みです。従来の「AX8」、「FX8」などのフロア・タイプの機種と比較してもさらに頑丈な設計のスチール製シャーシと保護用エンド・キャップを採用し、これまでにないほど高い堅牢性を獲得しています。

メイン・ディスプレイはAxe-FX IIIと同じものを採用しており、解像度／輝度の高さに優れています。またグリッド全体をまとめて1ページで表示する「ズームアウト」オプションも搭載しています。

Axe-FXシリーズを継承した高品位なサウンド

無印のFM3も十分にハイスペックでしたが、MARK IIとしてリニューアルするにあたってDSPがさらに強化され、処理能力が10%以上向上しました。これにより負荷のかかりやすいエフェクトやプリセットも動作させやすくなり、表現の幅が向上したといえます。
Fractal Audio Systems社が開発した「Ares」モデリング・テクノロジーを使用し、フラッグシップ機同様のリアルで生々しいサウンドは他の追随を許しません。信号経路についても非常に丁寧に設計されており、THD（全高調波歪）やノイズ・フロアも限りなく小さくなっています。

音色の秀逸さだけでなくライブラリの豊富さという点でも優れている本機には歪み42種類、リバーブ50種類、ディレイ30種類、そのほかにもコーラスやEQ、ピッチ・シフトなど多種多様なエフェクトが収録されています。キャビネット・シミュレートについてはAxe-FXにも搭載されていた189種類に加えて著名なブランドがデザインしたIRを2200種類以上収録し、もちろんユーザーのロードにも対応しています。
これらの「ブロック」は12 × 4のレイアウトに自由に配置することができ、セッティングしたプリセットは512個まで保存することが可能です。

プリセット内でのセッティングを切り替える「シーン」機能を用いれば、実機のボードでスイッチャーを使っているような感覚で音の途切れもなくスムーズにトーンを切り替えることが可能です。「Axe-FX III」などにも搭載されていた「チャンネル」機能ももちろん装備しており、各ブロックごとに個別のパラメーターを4つまで保存しておくことができます。

バリエーション豊かな入出力系統

コンパクトなフロア・タイプの本機ではありますが、入出力系統という部分においてもAxe-Fx並の性能と豊富さを誇ります。
ギター／ベースの信号を超ローノイズ化する「Secret Sauce IV」搭載のモノラル・インプット、グランド・ループを防ぐ「Humbuster」搭載のアウトプット2など基本的なイン・アウトの性能が高いのはもちろんですが、センド・リターンやMIDI IN/THRUに加えてS/PDIFなどの出力にも対応するなど、バリエーションという点でも非常に充実しています。
外部コントロール機能についても豊富なオプションが用意されています。エクスプレッション・ペダル用の端子（2口）、同社製のコントローラーをケーブル1本で連携できる「FASLINK II」端子などを活用すれば、表現の幅はさらに広がります。
USBポートを用いてパソコンと接続すればアンプ・モデルやエフェクトのダウンロードはもちろん、4in／4outのオーディオ・インターフェイスとして本機を使用することもできてしまいます。