メーカー | Boss |
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カテゴリ | ギタープロセッサー , マルチエフェクター |
発売時期 | 2018年4月14日(土) |
価格 | 108,000 円 (税込) |
GT-1000 Guitar Effects Processorは、BOSSのマルチエフェクター「GT」シリーズの最新作であり、最先端のDSPテクノロジーとBOSSが長年エフェクト/アンプ開発で培ってきた知識と経験が融合したギター・プロセッサー。フロア・タイプのスリムなボディに業界最高レベルの音質を誇るエフェクト/アンプ・サウンドを搭載、その他これまでのBOSS製品で評価の高かった機能をあますところなく搭載するなど、プロ・ギタリストの要求に応えるクオリティを保ちながらも10万円前後と、ギター・プロセッサーとしてはリーズナブルな価格帯を実現しています。
BOSS GT-1000 Preset 50個をギター博士が弾いてみた!
プリセットのサウンド50個を試奏した動画。GT-1000のサウンドの方向性が伺えます。
GT-1000に搭載される新開発のDSPエンジンによって、マルチエフェクターとしては世界初の超高音質設計「32bit/96kHz」を実現しています。この「32bit/96kHz」という内部処理能力は、
といったBOSSの高性能デジタル・エフェクターと同等のサウンドクオリティであり、「32bit/96kHz」で内部処理できるマルチエフェクターは過去存在せず、現時点で最高音質だということができます。
GT-1000には、上述したハイエンド・モジュレーション/空間系の3機種「MD-500」「RV-500」「DD-500」、「OD-1X」「DS-1X」「CP-1X」「AD-10 Acoustic Preamp」などMDP技術を搭載したXシリーズの歪みやコンプレッサー、±0.1セントのチューナー機能、38秒までのルーパー、「CE-1」「OD-1」など歴史的に評価の高いモデルなど、フラッグシップの名に相応しい最高峰のBOSSエフェクト116種類を内蔵。これら高品質のエフェクトを最大23種類まで同時使用することが可能です。
エフェクトはパラレル(並列)接続、エフェクトループより外部エフェクターを繋いで自由な音作りにも対応。
プリセットサウンドは250種類/ユーザーカスタムできるエリアも250種類が用意され、十分に使いきれる量が確保されています。
またパッチの切り替えが超高速になり、切り替え時の音切れ問題の解消が期待できます。
ディレイ/リバーブはキャリーオーバーも可能です。
GT-1000の大きな特徴の一つが、「AIRD」技術によるリアルなアンプサウンドの再現でしょう。
BOSSブランド及び開発元のローランドでは、近年
など「真空管を搭載せずにチューブアンプに迫るサウンド」を実現したアンプシリーズをリリースしてきました。これらのアンプ設計のベースとなっている「Tube Logic」というコンセプトがGT-1000のアンプ・プロセッサーに適用されています。
そしてサウンド再生システムを持たないGT-1000で、プリアンプ・セクションのキャラクター/スピーカーやキャビネットの音響特性、プレイヤーの演奏ニュアンスによってダイナミックに変化する絶妙なレスポンスをあらゆる環境で再現できるよう生み出されたのが「AIRD」テクノロジーです。「AIRD」ではアンプ全体の各パーツにより生み出される複雑な相互作用を統合的に再現、フロア型ユニットとは思えないオーガニックで生きたBOSSオリジナル・アンプのサウンドが得られます。
リリース以降「Blues Cube」「KATANA」は高い評価を得ており、GT-1000でも上述した3アンプのクオリティが期待できれば。アンプサウンドの部分でも即戦力となるでしょう。
GT-1000はBluetooth機能を搭載し、iOS/Android対応アプリ「BOSS Tone Studio」で音色のエディットができるほか、プロギタリストが作ったサウンドのダウンロードも可能です。
またUSB端子からパソコンに繋ぐことでオーディオインターフェイスとしても動作、Mac/Windows対応のPC用エディターも用意され、パソコンでの音作りやDAWソフトでのレコーディングに対応します。
GT-1000はメインの入出力の他に、2系統のセンドリターン、エクスプレスプレッション・ペダル、MIDI、XLR用SUB OUTなど、接続端子が非常に充実しています。
中でもフロントの10個のフットスイッチととエクスプレッション・ペダルは、演奏中に様々なパラメータのリアルタイム・コントロールが可能で、外部フットスイッチやエクスプレッション・ペダルの増設、MIDI/USBを経由させることでさらに自由なコントロールも可能です。
各フットスイッチの機能は、パッチの切替/コントロール機能のアサインはもちろん、特定のエフェクトのON/OFF、タップ・テンポ、任意のパラメータの割り当て、システム・セッティングの変更など、あらゆる機能を好きなように割り当てることができます。この豊富な機能を使いこなせるかがGT-1000を最大限活用する鍵となっています。
GT-1 |
GT-100 |
GT-1000 |
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メモリー | 99 + 99 | 200 + 200 | 250 + 250 |
AD/DA | 24bit | 24bit | 32bit |
サンプリング周波数 | 44.1kHz | 44.1kHz | 96kHz |
寸法 | 幅305mm、奥行152mm、高さ56mm | 幅542mm、奥行271mm、高さ80mm | 幅462mm、奥行248mm、高さ70mm |
重量 | 1.3kg | 4.8kg | 3.6kg |
価格 | 19,980 | 51,840 | 108,000 |
GTシリーズ3機種の比較(価格は2018年4月時点)
GT-1000の本体フロントパネルには大型ディスプレイと6つのツマミ(+6つのボタン)を搭載、10個のフットスイッチとエクスプレッション・ペダルを搭載していますが、同じBOSS GTシリーズの「GT-100」や、「Line6 Helix」「Fractal FX8/AX8」などに比べても寸法・重量ともに一回り小さいサイズとなっており、他の競合機に比べて扱いやすくなっていると言えるでしょう。フロアタイプのハイエンドマルチエフェクターとしては大きすぎないサイズに、重さ3.6kgということですから、女性でも持ち運びしやすい重量です。
最高峰のサウンドを手に入れよう!ギタープロセッサー特集
ここでは他社のギタープロセッサーを、GT-1000との比較という視点で見てみましょう。GT-1000と同じく、フロアタイプの大型なものに絞って4機種を挙げてみました。
ギタープロセッサーのパイオニアFractalのフロアタイプ・プロセッサー。フラッグシップモデルである「Axe-Fx II」と同等のアンプモデルを含み、23種のエフェクトを31個のブロックに自在に配置して音作りします。上位モデル譲りの世界最高峰のサウンドには文句の付けようもなく、依然としてギタープロセッサーの代表格ではありますが、発売がやや古いのもあって、サンプリングレートは48khzと、GT-1000の96khzに比べるとやや落ち、ディスプレイの視認性も高いとは言えません。アンプモデルの同時使用が二つであるところは同等ですが、ルーティングの自由度はマシンのスペックの制約を強く受けます。スイッチ類が多いので操作性が高く、あらゆる操作をスイッチで行える幅の広さがありますが、ペダルが標準装備されておらず、外部のペダルに頼ることになります。サイズはGT-1000とさほど変わりませんが、5.4kgとGT-1000に比べてやや重くなっています。
PODで一世を風靡したLine 6から登場したHELIX。AD/DAコンバータ、サンプリングレートは24bit/192khzを確保。アンプ数はベースアンプ含め62種類、プリセット数は脅威の1024個に及びます。ギターを弾きながら手を使わずにペダルだけで音色を作り込める機能があり、大型カラーディスプレイの存在も相まって、良好な操作性を実現しています。一方、個別でのエフェクトについては、ディレイやリバーブなどを見ると質量ともにGT-1000がやや上、アコースティックシミュレーターなどの便利エフェクトもHELIXにはあまり含まれず、エフェクトチェインも2系統までと音色作りでの柔軟性はGT-1000に軍配が上がります。筐体も500mm超えの幅に5.4kgのHELIXはやや大柄感が否めませんが、GT-1000にはない強みがあるのも確かです。価格帯も近く、GT-1000の対抗馬としては最有力候補でしょう。
かつてEleven Rackを送り出したサウンドチームが作り上げたHeadrush Pedalboard。24bit/96khzの高音質を実現し、カラータッチパネルを採用した大型ディスプレイが印象的な大型プロセッサーです。プリセット数は270ながらアンプ数は33と、GT-1000の16個に比べると倍近くに上る反面、リバーブ、ディレイ、モジュレーションを全て合わせても18種と、エフェクト数は少なく、アンプモデリングの方に力を入れた機材と言えそうです。タッチパネル採用の見やすいディスプレイと、HELIXと同じくハンズフリーを実現した操作性は非常に良好ながら、ルーティングを含めた音色製作の自由度は若干低い印象。550mmを超える幅に7.1kgと、サイズ、重量は徒歩で運ぶには厳しいものですが、数あるギタープロセッサーでは本体のみで最も簡単に音作りできる機種の一つなので、PCの併用などをしたくないギタリストにとっては、そこがかなり大きなメリットとなります。
スイッチ3つを搭載した超小型のギタープロセッサー「AmpliFire」の大型版がこの「AmpliFire 12」です。フットスイッチは12個を配し、より使いやすくなっているものの、初代から受け継いだ小型軽量路線は継続されています。プリセット数は128とかなりの数に及びますが、エフェクト数が総数で14個しかなく、ペダルが非搭載なところ、通常の9Vアダプターで駆動可能なところからも、エフェクターボードに取り込んで使うという使い方が正しいと言えるかもしれません。種類こそ少ないものの、アンプのクオリティは申し分なく、フットスイッチも12個あればかなりのシチュエーションをカバーできます。奥行き16cm、2.6kgの軽量ボディは運ぶのが苦にならず、非常にシンプルな音作りで事足りる場合は選択肢に上げる価値がありそうです。
ギター博士的、BOSS GT-1000のここが凄い!
以下の記事ではGT-1000の膨大な機能を網羅的に解説しており、中には具体的な使い方を掘り下げて記述している箇所もあります。既に手に入れているというギタリストも参考にしてください。
仕様 | ■接続端子:INPUT、MAIN OUTPUT(L/MONO、R)、SEND/RETURN x2、SUB OUTPUT L/R(XLR)、PHONES(ステレオ標準)、CTL4, 5/EXP2、CTL6, 7/EXP3、AMP CTL1, 2(TRS 標準)、USB(B タイプ)、DC IN、MIDI IN/OUT ■電源: ■消費電流:1.2A ■別売フットスイッチ:FS-5U、FS-5L、FS-6、FS-7 ■寸法:462 x 248 x 70 mm ■重量:3.6kg |
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Fractal Audio Systems Axe-Fx III MARK II
No.79804:無問題 2019年2月3日
GT-1000のステレオアウト端子からJC-120のリターン端子につないで使っています。スタジオにはマーシャルアンプなどもありますが、どのスタジオ/どのライブハウスでも安定したサウンドを鳴らすことを第一に考えると、やはりジャズコーラスを選びました。リターン端子に繋いでいるためかJC-120そのもののサウンドは影を潜め、自宅でラインアウトで聞くサウンドと遜色ない出音と感じます。
同期もののバンドをやっているためか内臓アンプモデルのサウンドに不満がないのと、エフェクトの作り込みにも不満がないので、ライブやリハーサルはもうこれ1台で完結させてしまっています。何より足元がとてもスッキリしますし、他のペダルの接続など煩わしいことを考えなくて済むのもメリットかと思います。
生っぽいギターサウンドが必要なジャンル、ルーツミュージックをプレイするような場合だと、好みの歪みペダルを使いたくなるかもしれません。打ち込みありきのオケなら、少しデジタル臭のするGT1000のサウンドはオケとの馴染みがいいと思います。
正直他社製のギタープロセッサーも気になりますが(アンプモデリングが特に…)、ライブを行うためのオールインワンツールとして考えた時にGT-1000には何の不満もありません。