メーカー | TC Electronic |
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カテゴリ | ディレイ |
発売時期 | 2023年11月 |
価格 | 66,000 円 (税込) |
2290 P DYNAMIC DIGITAL DELAYは、同社が1985年に発売したラック・タイプのデジタル・ディレイ「TC2290」のトーンと機能をペダルに凝縮した製品です。ユニークで強力なモジュレーション機能も不足なく継承し、さらに新たな機能も追加されています。
オリジナルの2290が発売された当時は「デジタル」という言葉がトレンドであったため2290にも「デジタル」と銘打たれてるものの、実際にはデジタル・パーツが占める割合はごくわずかでアナログ・パーツを主体に構成されていたのでした。本機はそれらのコンポーネントの特徴を正確に捉え、忠実に再現しています。
オリジナル機のサウンドや機能を再現するのはもちろんですが、現代的な機能も新たに追加されています。ウェット信号にエフェクトを挿入するためのセンド/リターンやモジュレーション・ブロックのコントロールにおけるサブディビジョン機能など、単なる懐古主義的なリイシューやペダル化にとどまらず、道具として現場で用いることも意識した仕様となっています。
2290はディレイ・エフェクト自体が素晴らしいのはもちろんですが、2290の魅力といえばなんといってもやはり豊富なモジュレーションやパンニングによるエフェクティブなサウンドです。本機にはオリジナル機の持つこれらのエフェクトが全て移植されており、ディレイ・ノートのみにモジュレーションを加えたり、ドライ音だけにパンニングを適用したり、といったオプションも用意されています。
ボタンが一列にずらりと並ぶコントロールは一見操作が難しいようにも見えますが、実機と同じくそれぞれのボタンは機能によってセクションごとにまとめられているため、さほど難しさを感じることはないでしょう。また実機ではほとんどのパラメーターはボタンを押下することで調節していましたが、本機では対応するボタンでパラメーターを選択してから一番右のエンコーダーで調節する、という仕組みに変更されており、より直感的でスピーディな操作が可能となっています。
フット・スイッチで切り替えられるAとBの2種類のプリセットは「ボード」としてまとめて保存することが可能で、最大128種類本体に保存することができます。ボードのスクロールは「PRESET」セクションはもちろんのこと、フット・スイッチを2つ同時に押下することで行うこともできます。1曲の中で2つのセッティングを使い分ける曲が複数ある場合などに非常に便利な機能です。
専用のデスクトップ・ソフトウェアからはこれらのプリセット/ボードのエディットやリネーム、インポート、共有などの操作のほか、MIDIマッピングの編集やトゥルー・バイパス/バッファード・バイパスの切り替えなども行うことができます。
タップ・テンポ機能を担う「LEAD」フット・スイッチはグローバル・コントロールはもちろんのこと、プリセットごとやボードごとにコントロールすることも可能です。外部コントロール機能も充実しており、外部エクスプレッション・ペダルによる複数のパラメーター(3種類まで)のリアルタイム・コントロールやMIDI機器によるボード/プリセットの変更にも対応しているという充実ぶりで、表現の幅という点においても機能性という点でもラックに比肩しうる性能を備えた一台です。
ディレイ・タイムは最大9.999秒と、デジタル・ディレイの名に相応しいロング・ディレイです。「DELAY」セクションではこのタイムのコントロールはもちろんのこと、モジュレーションのON/OFFやサブディビジョンの選択、エンベロープのピッチ・シフトの反転などを行うことができます。
リピート音のトーン・シェイピング機能も充実しており、「FEEDBACK」セクションではリピートの回数の調節用コントロールはもちろんのこと、ハイカット・フィルター(1~20kHz)とローカット・フィルター(0~800Hz)なども装備しています。フィードバックするたびにフィルターを通過するため、リピート音が繰り返されるにつれてだんだんと曇っていくアナログ・ディレイのようなサウンドも再現できます。また、フィードバック・シグナルの位相反転も可能です。
「MODULATION」セクションは波形の選択やデプス/スピードの調整、スレッショルド(エンベロープ、トリガーのみ)の調整など基本的ながらも十分なコントロールを備えており、実機同様柔軟で幅の広いサウンドメイクが可能となっています。モジュレーションはディレイ音にかける「DLY」、パンニングに適用する「PAN」、トレモロやダッキングを作り出す「DYN(ダイナミック・モジュレーション)」の3種類に分かれており、それぞれ個別の設定が可能となっています。
この「PAN」や「DYN」のON/OFFを行う「PAN-DYN」セクションでは、ダイナミック・モジュレーションの反転やパンニング先の選択なども行えます。
最終的なディレイ音/ドライ音の出力音量は「OUTPUT」セクションで設定します。パンニングの固定量の調節や出力信号の位相反転なども可能で、ラック並かそれ以上の豊富なコントロールを備えた一台です。
仕様 | ■コントロール: KEYBOARD encoder PRESET:PRESET, STORE OUTPUT:DLY, DIR, PAN FEEDBACK:SELECT, F.BACK, INV DELAY:DELAY, MOD, INV, SUB.D, TIME PAN-DYN:DYN MOD, REVERSE, DELAY/DIRECT, PAN MODULATION MODULATION:SELECT, WAVEFORM, SPEED, DEPTH, THRE ■電源:9VDCセンターマイナス、250mA(電池駆動不可) ■接続端子:INPUT(MONO, STEREO/RETURN), OUTPUT(MONO, STEREO/SEND), EXP, USB Type-C, MIDI(IN, OUT/THRU) ■入力インピーダンス(INPUT/RETURN):1MΩ ■出力インピーダンス(OUTPUT/SEND):1kΩ ■バイパス方式:トゥルー・バイパス/バッファード・バイパス切り替え式 ■寸法:54(H) × 233(W) × 137(D) mm ■重量:0.97 kg |
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