メーカー | TC Electronic |
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カテゴリ | ディレイ , ルーパー |
発売時期 | 2012年/2019年 |
価格 | 23,980 円 (税込) |
Flashback X4は、TC Electronicのディレイ・ペダル「Flashback」シリーズの通常版を進化させたフラッグシップモデル。12種類のディレイ・タイプを搭載、世界の一流ギタリストによるギター・トーンをPCやスマートフォンからダウンロードして呼び出す「TonePrint」用スロットを多数装備、合計16種類ものディレイが選択できる多機能モデルです。
搭載されているディレイタイプは
・ANALOG
・2290
・2290 MOD
・DYNAMIC
・CRYSTAL
・TAPE
・PING PONG
・LOFI
・REVERSE
・LOOP
の他、TonePrint用のスロットが4つ(後述のアップデートモデルでは6つ)選択できます。
TC Electronicの代名詞的ディレイ「TC 2290 Dynamic Digital Delay」のサウンドを搭載する他、クリスタル・クリアなディレイを中心にアナログ風のサウンドまで収録しています。また好みのディレイサウンドを本体に3種類まで保存することが可能で、フットスイッチの切り替えで瞬時に呼び出すことが可能。加えてTonePrintスロットに専用ソフトウェアからダウンロードしたサウンドを入れることができ、高い自由度を誇ります。
その他、最大40秒のループ録音が可能、タップテンポ、サブディビジョン機能も搭載。ディレイにこだわりたいというギタリストに最適です。
2019年に登場したアップデートモデル「FLASHBACK 2 X4 DELAY」は、筐体とツマミやフットスイッチの数こそ初代と同様ながら、搭載されているディレイは一部変更。新しく改良したアナログアルゴリズムとテープアルゴリズムが採用され、よりリアルなアナログ風サウンドを実現しています。
同社のオクターバー・ペダル「SUB ‘N’ UP Octaver」のアルゴリズムを元に新しく開発された Crystal も非常に刺激的。伝統の2290のサウンドも「2290」「2290 MOD」と2種類が用意され楽しめます。
アップデート最大の特徴が3つのMASHフットスイッチ。各フットスイッチはディレイタイプの切り替えだけでなく、スイッチを踏み込む圧力を変えることでディレイのパラメータを操作できる機能が搭載されています。
2012年登場の初代モデル「Flashback X4」
2019年登場のアップデートモデル「Flashback 2 X4」
Flashback 2 X4:リアパネル
仕様 | ■コントロール:LEVEL, FEEDBACK, DELAY, SUBDIV, MODE, BYPASSスイッチ, KILL/DRYスイッチ ■接続端子:INPUT 1/2, OUTPUT 1/2, EXP, MIDI IN/THRU, USB ■電源:9VDCアダプター / 300mA ■トゥルーバイパス/バッファードバイパス切替 ■寸法:235W × 56H × 145D mm ■重量:約1.3kg |
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TC Electronic 2290 P DYNAMIC DIGITAL DELAY
TC Electronic INFINITE MINI SAMPLE SUSTAINER
TC Electronic COMBO DELUXE 65′ PREAMP
One Control Sea Turquoise Delay
Earthquaker Devices Avalanche Run
No.79668:ユウキ 2018年12月2日
Flash back X4(以下「X4 」)の主な使用環境は以下のとおりです。
ギター:Suhr J-series S6
アンプ:MESA BOOGIE Rectifire mini
ベースになっているのはFlash backですので、音の良さは言わずもがなです。デジタルディレイですが、アナログライクな音がとっても魅力的です。
ツマミの種類は基本的にはFlash backと一緒で、フィードバック、レベル、タイムの3種類で、テンポに対するディレイのリズム(4分音符、付点8分、4分音符+付点8分)を決めるスイッチとディレイのモードを選ぶツマミが付いています。
なんと、X4にはToneprintのチャンネルが4つあります。Flash backの時はToneprintにどのディレイを入れるのか悩みに悩んだものですが、X4ならU2のエッジの音も、LUNA SEAのイノランの音も、PCでエディターを使って作った「ぼくのかんがえたさいきょうのディレイ」も、たくさん詰め込めます。
そして、Flash backが4つくっついたX4ですので、MIDI制御ができるようになりました。
X4のアナログライクな綺麗なディレイ音は、アンプのsend/returnにつなぐことで真価を発揮すると考えますので、send/returnにセットしてアンプの上に置いていますが、足元のMIDIコントローラーを用いて足元に無くてもX4を制御することができるようになりました。
しかし、相変わらずtc electronicさんは外部スイッチからディレイのon/offをできるようにはしてくれませんでした。MIDIを使ってもX4のディレイをon/offすることはできません。足元にないX4のon/offをしたければ、1つのチャンネルを超ショートディレイに設定して疑似的にon/offするしかないわけです。
なお、後続のFlash back triple delayであればMIDIを使ってディレイのon/offをすることができます。あちらは3つのFlash backをそれぞれ独立して動かすことができるディレイオタク仕様で、価格もX4をさらに上回るものですので、on/offのためだけに導入するかどうかは悩ましいですね。
さて、X4はFlash backが4つくっついた機能を有しますが、サイズもFlash back 4つ分あります。横24 cm、奥行き14 cmくらいありますので、エフェクターボードの中での運用には結構悩ましいかもしれません。2 kg以上あってとても重い上に、50 cmのエフェクターボードだと横幅の半分近く、面積の1/4をX4が占拠することになります。笑
私はMESA BOOGIE Rectifire miniを用いていますが、X4は大きすぎてアンプの上で安定させることができません。
というわけで、サイズ的に非常に取り回しに課題があるコンパクト(?)ディレイですが、Flash backではできなかった「足元の操作での複数のディレイの使い分け」については、このX4はFlash backを超えたといえます。
そしてやはり、Flash backから続くアナログライクなこのディレイ音は秀逸です。普段から使用しているSuhr J-series S6は非常にバスウッドらしい艶のある音が鳴りますが、バスウッドの艶にアナログライクな倍音が重なった音の美しさは言葉にできない、むしろ変な声が出ます。特にLoFiモードが最高。
取り回しはしづらくても、バスウッドの艶を引き立たせるこのディレイ音はX4の最高の魅力です。